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兄貴がソアへの土産を考えてくれた

 今日は、思い切って兄貴に聞いてみた。
 トロデーンへの、オレからの土産の件。兄貴の気分を害さないように、オレに用意しておくことはありますかーみたいな感じで。
 そしたら、兄貴。むぅ…… とか言い出して。
 一瞬、本気でヒヤッとした。またそれで怒り出すんじゃないかって。
 でもまぁ、幸い、そうじゃなかったらしい。
 難しそうな顔で背もたれに沈み込んで、私も色々と考えてはみたのだが…… って。
 少なくとも、怒ったような様子じゃなかったから、ちょっとホッとした。
 でも、「考えてみたのだが……」って言い方は、ちょっと気になったな。兄貴でも思いつかなかったのかなって、少し残念に思ったりもしたけど。
 でも、それもこれも、オレの心配しすぎってヤツだ。
 兄貴は、ちゃんと考えてくれてたんだよ。
 もちろん、怒ったりもしてなかった。オレに出来ることはあるかって、真剣に考えてくれてたんだ。
 だけど、それは後でわかったことで……
 その時は、オレを側に呼んで急に賛美歌を歌ってみなさいなんて言い出すから、ビックリした。
 何でこの展開で賛美歌?
 でも、まぁ、歌えって言われれば歌いますけど。
 今でも時々式典とかで賛美歌は歌うし、普通の歌よりも、むしろそっちの方が得意だし。
 とりあえずオレが歌ってみたら、兄貴、満足そうな顔で聞いてくれてた。
 兄貴、オレの歌が好きなんだよな。
 よくオレに歌えって言うし、いつもそうやって満足そうに聞いてくれる。だから、オレも兄貴に歌ってあげるのは好きだ。
 だから、驚いたよ。
 歌い終わった後、兄貴が、その賛美歌をトロデーンへの土産にすれば良いって、言い出した時は。
 正直、えええーって感じ。
 だって、兄貴はいつも「私の為だけに歌いなさい」って言うんだぞ。なのに、トロデーンの…… って言うか、ソアの為に歌っちゃっていいの?
 でも、その辺はやっぱり兄貴だ。
 もちろん、トロデーンの為というのは表向き。お前の歌は、この私だけに捧げられるものだ…… なんて。ちゃっかり、そう釘を刺しやがった。
 やっぱり、兄貴は兄貴だよ。
 だけど、良かった。
 今のオレにも、ちゃんと『オレのもの』があったんだな。
 オレの歌は、間違いなくオレのものだ。オレから誰かにあげることが出来る、オレのもの。
 こんな今のオレにも、出来ることがあるんだ。
 そう思ったら、何となく…… ホッとした、かな。正直。
 兄貴は、それを教えてくれたんだ。
 それで、ソアやトロデーンの人にあげてもいいって、許してくれたんだ。
 ……まぁ、あくまでも兄貴の為に歌えって条件付きだけど。
 でも、良かった。これで、安心してトロデーンに行けるよ。
 それに、これでソアにも会える。
 土産を楽しみにしてろって、胸を張って言えるんだ。本当に、良かった。
 さっそく、ソアに手紙を書いた。
 もうすぐ行くから、歓待の支度をして待ってろよって。
 あいつのことだから、きっともうヤンガスやゼシカを呼び寄せてくれてるだろう。その点、抜かりのないヤツだから。
 ああ、楽しみだな。
 賛美歌の練習をしとかなきゃな。オレに限ってトチることなんてないけど、念には念をだ。
 ありがとう、兄貴。いいことを考えてくれて。
 お礼に、今夜は風呂で背中を流してあげる。あと、肩揉みもつけてあげるから。
 ソアへの手紙が、早くソアに届きますように。
 ああ、楽しみだな。
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